MEMO
ミムラが見たり、聞いたり、感じた事を気ままに書くコラムです。
Dec.2007 6
『浅蜊の学校』
浅蜊を食べたいと思い、砂抜きに取りかかったのだが、毎度完璧には砂が抜け切らないという不満を思い出し、「海水と同じ濃度の塩水に浸け置き、2時間程したら一度水を換えてもう2時間程」以上の方法はないものかと調べてみた。浅蜊が捕れたご当地の海水がいいのはわかっていたが、スーパーではそうもいかない。煩わしくなく手軽に出来て、尚かつ効果的な砂抜きはないものか。
ありました、ありました。ほほう、なるほど、と目から鱗を落としながら貴重な砂抜き知識を吸収させて頂く事に成功。世の中には有用な事を惜しげもなく開示してくれる人が沢山いて、とても助かります。有り難いなぁ。
その中から幾つかご紹介。
● 重なり合っていると上の貝が吐いた砂を下の貝が吸ってしまう可能性があるので、確実に砂を出させる為にはボウル等ではなく平らなバット等の方が向いている。
● 粘液と共に出された砂は沈みにくいので、笊で下に砂を揺すり落とせるような2段構成にするのが理想的。
● 水温20度で最も活発に活動(砂吐き)する。
● 水中の方が無防備に口を開けているので、熱い室温よりも温い水に弱い。よって暑いときは水から揚げておく方が鮮度が長持ちする。(これは海から持ち帰る時などの事。)
● 食べる前、6時間程室温(の空気中)に放置しておくとストレスにより甘み成分のコハク酸が出て、旨味が増す。
後はご存知の様に暗くないといけないので、暗幕代わりに黒っぽい布などを乗せておくと、すんなり吐いてくれるらしいです。その部分について書いてある文章がすごく良かった。
『しばらく経ってそっと覗いてご覧なさい。アサリがベロ出して大騒ぎをしている筈です。』
ご活発な浅蜊の姿は決してかわいいものではないと知っているけれど、「めだかの学校」のようなこの一節に、微妙にファンシーな情景を想像してしまい、違った意味での大騒ぎを案じて、酒蒸しを作る際の強火を躊躇った。火を通す際にキューップシーッと聞こえるあの音は水蒸気のものと思っていたが、もしかすると普段寡黙な浅蜊達の精一杯の断末魔の叫びなのでは……。ど、どうしよう。やめとくか?
しかし、そんな事では砂抜きの努力が無駄になるし、中途半端な火加減ではミもかたくなるので、心を鬼にしてガスのつまみを目一杯右に回して鍋の蓋をし、時折鍋を揺すりながら分葱を小口切りする事に集中し、聴覚を閉ざした。
料理になった浅蜊は砂も噛んでおらず、とても美味しかったです。しかしコハク酸の旨味とはどんなもんだろうか。今度は6時間放置してから、澄まし汁にしてもっと美味しく頂こう。
あらやだ、人間って欲深い。
2007.12.06 Thu.
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