MEMO

ミムラが見たり、聞いたり、感じた事を気ままに書くコラムです。

Dec.200717

『にやにやされる』

素敵な品揃えの本屋さんに行って、あれもこれもと腕に抱えていったら手持ちで帰れない程の量になってしまった。仕方なしレジで配送が可能か聞くと、大丈夫ですとのこと。ではではこの三冊は持ち帰りで、それ以外を配送で、支払いは一緒でお願いします、というと、対応してくれていた高校生のバイト君に、にやにやされた。

なんだろう?

自分の言った事を反芻してみたけれど特におかしな点はなかったように思う。しかし彼はバーコードをリーダーに当て、ピッピッとやりながら本の数を数えるフリをして相変わらずにやついている。そのせいで作業の精度が下がり、固定してあるリーダーの前で同じ本を何度もふりふりしている。きちんとバーコードの位置を確認すれば一瞬で済むのに、と見守りつつ彼のにやにやの根源を探る。考えられたのは三点。

① もともとこういう顔の青年なのだ。
(でも私がレジに並ぶまではまじめな顔だったぞ。)
② なにか思い出し笑いしているのだ。
(これは私もたまにやってしまうので咎めようが無い。)
③ まさかとは思うが私のセレクトのせい?
(児童文学十九冊に水木しげるさんの本三冊。持って帰るのは勿論全て水木さんの本。だって早く読みたいから。)

①と②に関してはどうしようもない。そしてその分気にならない。しかし困った事にその後の彼の行動を見れば見る程③ないしそれに近い理由である可能性が濃厚になってきた。
配送にあたってチーフらしき40代の男性に替わった時も、
 バイト君「配送だそうです(にやにや)」
  チーフ「はいはい。……なに?なんで笑ってるの?」
 バイト君「いえ、何でも無いっス(にやにや)」
と小声でやりとりしていたし、もうこうなると後に思いついた④、全部私の気のせい、というのもあり得ない。

なんだー、なんでにやにやされなきゃならんのだー。

例えばテレビやなんかで私の事を見知ってくれた人が、コンビニなどで気づいてくれた時のはもっと違う気配のにやにやだ。気付きによる瞬時の発散なので湿り気がない。それに対し彼のはちょっと湿っぽかった。自分の中のごく個人的見解から何かに対して可笑し味を感じ、それを意識内で味わっているうちに内に留めきれず外に漏れだしている、その結果のにやにやであるに違いないのだ。この類いのにやにやを、私は見逃さない。

なぜならば私もしょっちゅうにやにやしてしまう人間だからだ。それも湿った方のにやにや。勿論気付かれないようにこっそりしているが、秘めきれていない可能性は高い。
き、気をつけよう。

上滑りした「ありがとぉござぃ(ま)したぁー」とにやにやに見送られながらも、私には反論する権利はない。彼と私は同じ穴の狢なのだ……。
人の振り見て我が振り直そう、と思った家路でありました。

2007.12.17 Mon.

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