MEMO
ミムラが見たり、聞いたり、感じた事を気ままに書くコラムです。
May.2008 2
『ナレーション』
映画やドラマでのモノローグ的なナレーションは経験があるものの、出来上がっている映像に「声のみ」で参加させて頂くのは初めての経験でした。実は密かにとってもやってみたかった事のひとつで。お声がけ頂けて大喜び。しかし難しかったなぁ。
滑舌があまり良くないので何度か単語がこもってしまったり語尾が消えてしまったりでリテイクさせて頂きました。脳が手綱を握って舌を思い通り動かしてやろうと四苦八苦したのですが、なかなかの暴れ馬っぷりにもしかして私の舌ちょっと長い、又はちょっと厚いんじゃないだろうかと思った。ご飯中美味しいものを一生懸命食べているとよく噛むし。それか、脳に指導力がないんだ。要はどんくさいということか。
そして自分の声を集中して聞くというのは、幼き日に父が撮っていたビデオから聞こえてくる自分の声の対して感じた「?わたしのコエはもうちょっとひくい……たかい??……???」というつかみ所のない違和感で、相変わらずでした。本当に私の声ってこんな声なのかな。渦巻管を通すか否かでこうも変わるなんて、不思議だ。
ずっと「緑」だとばかり思っていた信号の「行ってよし」の色。それを幼稚園の安全指導に来て下さった警察の方が——腹話術らしき動作で動かしていた年季物の「ケンちゃん」人形が——『信号は「青」で渡ろうね!』と高く震えた声で言った時、私の目はどこかおかしいのか、と大ショックを受けた。
あのレモンが甘くなるというミラクルフルーツがメディアで取り上げられて間もない頃、私の周りは目を輝かせてその驚きを語りながら勧めてくる大人だらけだった。3Dの本にただの一度も寄り目で向き合った事がない人なんているのか。座った状態でおでこを人差し指でぴとっと押さえられると立ち上がれないとか、やっぱりみんな好きなんじゃないか?
内的感覚は脳の都合のいい様に自由自在に変化するので、実際に起きている現象からかけ離れた小島に取り残されているのに、全く気付かないことも多いんだと思う。そこでハッとして、自分の思い込みならぬ感じ込みと現実との温度差に恥じらいつつ、感覚に騙された事が嬉しい。そんな気がする。
「無限回廊」という視覚の嘘を利用したゲームが面白くてここ数日ずっとオットに止められるまでやり続け、親指の付け根の筋肉が発達してきた私は、誰かに『実はあなたの声はこっちが本物です。今まで二十三年騙されて居たんですよ。』と理不尽なことを言われてもきっと、えへへ、そうだったんですかぁと場違いな照れ笑いを浮かべてしまうと思う。
あ、でもナレーションはちゃんとしなきゃな。次はもっとうまくできるように。毎日少しだけれど、滑舌鍛えてます。
2008.05.02 Fri.
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