MEMO

ミムラが見たり、聞いたり、感じた事を気ままに書くコラムです。

Oct.2008 7

『よかとこ』

赴いた土地に関して、私は結構惚れっぽい。うちはあまり旅行好きの一家ではなく、私自身もある時期まではあまり興味がなかったのだけれど。仕事に就いてあっちこっち行くようになってから、方々で惚れてしまう。帰京する時には必ず、うーんもうちょっと居たかった、と後ろ髪引かれる思い。

自分が基準として過ごしている東京よりも、あたたかかったり、涼しかったり。風が強かったり、湿度が高かったり。草木の種類と見頃がちょっとずつずれていたり。ささやかな変化だからこそ、国内の方が家に帰ることが惜しくなる。いつでも帰れる距離だからこそ、今帰らなくとも、という欲求が首をもたげるのだ。

勿論環境だけでなく、人柄や食べ物も大きな理由です。先日行っていた博多にも、大いに魅了されました。福岡にお邪魔したのはこれで三度目ですが、いつでも食べ物が美味しい。旅先でのうまいものは現地住まいの方に聞くのがいちばんである。前回来た際にも仕事でお世話になった方に美味しいお店に連れて行って頂き、今回もオットの知人に教えて頂いた胡麻味噌出汁のモツ鍋に、「隠岐島」で育った牛を出す焼き肉屋など、大満足の旅だった。

でも一番嬉しかったのは、タクシーに乗った時だ。いきなり行き先を言うのはなんだかはばかられるので、私はクッションとして必ず「こんにちは」とか「こんばんは」と挨拶をするのですが。この挨拶を普通に返してくれる運転手さんの、なんと少ないこと。私見ではシャッターの閉まった店の多い景気の悪そうな街ほど、返事が返ってこない気がする。無理もないことかもしれないが、こちらまで心がかさつく。

博多の景気はどうだかわからないけれど、利用したタクシーの運転手さんは一人の例外もなく、気持ちよく挨拶を返してくれた。しかも満面の笑顔付き。道の説明や効率のよい迂回等、当たり前のようにやってくれる。 コンビニの店員さん
も、本物の笑顔で「いらっしゃいませ」と「ありがとうございました」を言ってくれる。兎に角気分がいい。


その土地を心からいいなぁ、と思って「いい所ですねぇ」と投げかけると、大体そこに住んでいる人は「いやぁ、そうは言ってもね」と照れ隠しなのか本心なのか、その土地の良くないところを列挙する。

しかし福岡の人は違う。「いい所ですねぇ」には「そうでしょう?いいんですよ!」と笑顔で答える。さらに良いところをいっぱい挙げてくれて、そして最後には「ほんとうに住みやすいの!」としめる。「引っ越していらっしゃいよ」と誘われることも珍しくない。現実にはそうもいかないけど、一度住んでみたいところだ。

「いい所ですねぇ」のかけ声の上に、ひょいと乗っかってくる都道府県は、いまのところ京都と福岡。こういう街が、もっともっと増えていったらいいですね。私もゆくゆくは、そういう所に根を降ろしたいなぁ。

2008.10.07 Tue.

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