MEMO

ミムラが見たり、聞いたり、感じた事を気ままに書くコラムです。

Dec.200823

『お金持ちって』

撮影が始まるにあたって、悩んでいる事がある。というか、私自身はほとんど手出しのできないほぼお任せの領域なのだが、衣装が難しいのだ。

設定では金持ちのとこのお嬢の役所であるが、秋山ジョージさんの原作や事前打ち合わせの話によるとそんじょそこらのお金持ちではないということ。財閥、まではいかないが、昨日今日裕福になった成金ではない、かなり年季の入った「生粋のお金持ち」。

普段の衣装合わせでは、シーンに合わせた様々な服に次から次へと着替えながら、キャラクターの見映えをどのようにするか決めていく。着替える最中は仕切られたカーテンの中に入り、着替えを終えたら出て行ってスタッフの方々に見てもらい、どうなのか意見を出してもらう。いつもなら皆さんをおまたせしてはいけないので、たったか着替えてさっさと仕切られたカーテンから出て行くのですが、今回はその仕切られたカーテンからなかなか出られなかった。 閉め切られた
カーテンの中で、スタイリストさんと私は終始首を傾げながら、ぼそぼそと喋っていた。

「ん?意外と普通っぽい?」
『これは……どうなんだろう?』

スタイリストさんとはもうだいぶ、長い付き合いである。私の頭からつま先まで、あらゆる場所のサイズを熟知しているような人だ。
それでも、なかなか的に当たらない感じだった。否、当てるべき的が見えてこないのだ。

ゴージャスさのボリュームを上げれば、なんだかニセモノっぽくなるし、下げるとその辺にいそうな普通の人になってしまう。恐らく一番の原因は私の顔がお嬢っぽくないことで、もう一つの大きな原因は決定的なお金持ちというのをこの目で見たことがなく、正解がわからないのだ。

そういった人達はどんな服装なのか?マンウォッチングをするべく、高級エリア(二十五平米のワンルームマンションが軽く十五万以上するようなエリア)を散策してみた。

わかったこと。
みな肌艶がよい。髪の毛のカラーリングが根元までしっかり(かなり頻繁に美容院行ってるのね)。すれ違うとふわりと良い匂いがする。殿方の靴はピカピカに磨かれている。なにもかも新しい感じ。毛玉取り機で時々毛玉駆除しつつ、もうかれこれ四年着ている気に入りのセータに身を包んだ私に
は、眩しいと同時になんだか息苦しくて、三十分程で退散した。

結局、漂う清潔感と、全身の手入れがよく行き届いていることくらいしかわかんなかったなぁ。ミンクの毛皮を着た人
に、これは、と思ったりもしたけど、チャリティなんかにも積極的に参加するクラスのお金持ちであったら、動物愛護の精神でフェイクファーなのかもしれないし。お金持ちの方々の生態は謎である。

少なくとも、 あの人達のお家に毛玉取り機はあるまい、
うん。

2008.12.23 Tue.

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