MEMO

ミムラが見たり、聞いたり、感じた事を気ままに書くコラムです。

Apr.200921

『春眠、眠、眠』

眠いのです。とてもとても。

起きて一時間程経つと、すぐにまたふわりと次の眠気が降りてくる。あたたかな陽気、やわらかな空気、全てに使い込まれたタオルケットのような心地よさが感じられて、あくびが止まらない。

目を閉じて自分の身体はどうなっているのか、探ってみる。細胞のひとつひとつがいつもより瑞々しく、ゆるゆると密やかに震えているようです。巡ってきた春という季節に反応しているのでしょう。その細胞の活発さは活力にならず、むしろその細胞の震えと摩擦によって生じた静電気を帯電した肢体が、ぽかぽかしてくる。ひたすら眠気へ流れていく。

そんな感じがします。

それに反して、外を眺めると春は忙しない。様変わりが激しいのです。花弁の色も、萌える若葉も、一時も止まってはくれない。三十分の散歩の行き帰りでさえも、同じ色はない。景色の全てが冬という眠りに向かっていく秋の方が、よっぽど静かで穏やかなのだと、今更ながら思います。

この時期特有の、耳では捉えられない程度の草木のざわめきがまた、安心する。気配から想像するに、寄せては返す波の音に似て、反復しているけど、細かに違う音の連続かなぁ。
潮騒にあやかって、これは緑騒と呼びたい、いや、呼ぶと決めた。誰がなんと言おうと、私はそう呼ぶぞ。


開けた窓から、またさらりと風が入ってくる。もう一度目を閉じて深呼吸。風と共に寄せてきた新たな緑騒の波に混じって、五十メートル先の大通りからのクラクションが、誰かが伸びと共に放った盛大なあくびのように間延びして響き続けている。


ああ、眠い。

2009.04.21 Tue.

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