MEMO

ミムラが見たり、聞いたり、感じた事を気ままに書くコラムです。

Jul.2009 3

『新しい図面』

さて、今年の夏は「青山響子」という人物が私の中に入居することになった。

このような表現は普通の役柄では不自然だと思う。
入居ってなんだ、青山響子という役を演じることになった、で済むのに何故そんな言い方を? と思われても仕方ない。でも彼女を分析し始めた私の頭の中は、既にそのような言い方がしっくりくる状況。ファンタジー性と、一人の人間としての重みを不思議に併せ持つ彼女に、興味津々。


不自然をもって自然さを醸し出すことが必要な、でもその他の決めごとが少なくとても自由度の高い人物。

私は初めて台本を読んだ時点で、彼女のキャパシティーの大きさに惚れてしまったのだと思います。その分、自分の能力の低さが原因で彼女の人間としての魅力を表現しきれなかったら、と思うと堪らない。

自分の持っている図面を組み換えることで構築可能な役もあれば、全く新たに製図しなければ不可能な役もあります。彼女は後者だと感じ、一から図面を引こうとした私は、まずその巨大さに驚いた。私の基盤が並の人間サイズだとしたら、小学校の体育館くらいは優にありそう。底面積バスケット
コート二面、高さ十メートルというところだろうか。

小さな紙にはうまく書けても、その百倍の大きさに書こうとしたらうまくいかない感じ。あちこちの小さな歪みが気になって、大きくバランスをとるのが難しい。ああ、こっちが欠けた。じゃあこっちは引っ込めて……、こうしたほうがバランスがいいかな。その方が普通かな。

一番のウィークポイントは、「普通」なんて言葉をひょいと使ってしまう自分。その凡庸さだと思う。彼女のカメラには超望遠とマクロのレンズは備わっていても、標準規格の使いやすいレンズなどありはしない。そのあたりでまごつかず
に、彼女のいきたい方向に自由にさせてやれるかどうか。

惚れた人物へどれだけ貢献できるか、もっと大袈裟に言えばその生涯をも決めてしまうことになるわけで。


自分のさせてもらっている仕事の楽しさを、実感しながら撮影が進んでいます。

2009.07.03 Fri.

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