MEMO

ミムラが見たり、聞いたり、感じた事を気ままに書くコラムです。

Feb.201011

『はやくこいこい』

風邪をひいた。起きて、漢方、野菜のおじや、水分、寝る、というのを一日中繰り返しほぼ食べ物を摂れなかったせい
か、病み上がり、一時的に嗅覚がするどくなった。

年に何度もお世話になっているホテルでも、きれいに清掃がしてあるのにも関わらず前の人の香水を嗅ぎ取れ、それがどこのメーカーのものかもわかる。

そんな中街中に出ていると、なんと多くの香りがひしめき
あっていることか!

お、この人お昼に豚骨系のラーメン食べたな。う、この上着は……だいぶながいこと着たきり雀なのかな? 綺麗に整った髪からはまだ微かに美容院のパーマ液のがする。あ、うちと柔軟剤が一緒だ。

様々な香りに取り囲まれながら、何年か前に映画化もされた「パヒューム」という小説を思い出した。なるほど、女の子は良い香りがするものである。(小説の主人公グルヌイユが嗅ぎ取ったのはもっと本質的なものだったはずだが、現代日本の女の子はシャンプーやなんかの実態ある良い香りであ
る)

しかし公園の脇を通った時、それよりも遙か芳しい香りがふと鼻孔に届いた。 あ、あ、なんだっけ。これ、知ってる!

ホトケノザやハコベが絨毯のように咲き乱れるイメージ。満開の菜の花と桜に縁取られた公園でこいだブランコ、その上で受けたそよ風の感覚が蘇る。

公園から沿道に向かって葉を揺らしていたのは、大きな楠。

まだ風は冷たいけれど、春は、ゆっくりと目をさましているようだ。毎年のことなのに、どうしてこんなに驚いて、そしてこんなに嬉しいのでしょうか。

はやくこいこい、春よこい。

2010.02.11 Thu.

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