さて、これはなんでしょう?
ありがたく引き続いている執筆関係ですが、日経新聞の日曜版悩み相談コラムの他、さらにもうひとつ連載を持つことになりました。絵本を紹介する連載だった白泉社『MOE』以来の書籍紹介ページ、年始のスタートめがけて楽しく誠意準備中です。
今回の紹介は絵本ではなく“新刊”書籍ですが、時折絵本もご紹介します。また、11月20日発売の雑誌『&premium』(マガジンハウス)は、創刊3周年の記念で絵本特集。こちらにも執筆させて頂きました。ひとつの絵本について熱心に書けば規定文字数を軽く超えますが、雑誌としてはなるべくたくさんの絵本が載っていた方が魅力。他の方々の紹介絵本も多数掲載されていて、とってもおすすめです。
さて、自分の連載とは関係ない本ですが、絵本繋がりで一つ埋もれた“宝物級の本”の存在をお知らせしたくなりました。ただの絵本好きの「こんな貴重なものが? なんて勿体無い!」という気持ちから情報を書きます。私が存在を知ったのは、とある絵本作家さんから頂戴したからです。
一緒にお食事中、『キンダーブック』(フレーベル館)のアーカイブと、世界・日本史を上下に配した年表を拝見した際の驚き、絵本たちの経てきた変容を話したところ「そういう現代絵本の年表まとめ冊子うちにもあるよ。余分があるから今度送ったげる」と。
数日して届いた実物、『月間保育絵本クロニクル』。その中身は……。
絵本好き必見! という充実のオールカラー、年表、『子供之友』『キンダーブック』『ミクニノコドモ』『よいこのくに』などなど、通常横並びしにくい各出版社のものがカラーで並びゆく様は壮観! それも表紙だけでなく見開きも多数配置され、まど・みちおさんのインタビューや、裏話もりだくさんの寄稿群。
読み終えてすぐ、「なんでこんな、ビジュアルも素晴らしく内容のしっかりしたものが流通に乗ってないのですか!?」と、作家さんにメール。
そこで知った内情はさておき、兎に角今は本屋さんでは販売できない実情。在庫はまだ結構ある。今回の私のように作家さんから知り合伝に渡っていくだけで、表に出る予定はなし。
「こんな、一冊読めば日本の戦前からの絵本史がまるっと解るようなもの、眠らせとくの勿体無いですよ! 本当になんとかなりませんかね」と食い下がったところ、冊子を出している<童美連>の会議で私の名前を出してこの件をお話ししてくださり、唯一ある入手方法を教えていただきました。
誤解のないよう説明しておきますが、こちらを紹介することに関して私にメリット(金銭授受など)はありません。当然、所属事務所も無関係。(必要もないことですが、いつぞやペニーなんとやらの件などもありましたので、念のため宣言。)
こちらの住所へ、簡易書留にて送料込みの手数料代1000円を送ると、事務局が発送してくれるそうです。
〒160?0022
東京都新宿区新宿2?7?3
ヴェラハイツ新宿御苑301
一般社団法人 日本児童美術家連盟
TEL・FAX 03?3354?2022
「日本児童出版美術家連盟」が2005年、創立40周年を記念に「児童出版に携わる多くの人々が、もう一度未来を担うこどもたちへの思いを深め、より良い児童文化を築く一助となる事を願い」出版したものだそうです。情報の精査にも時間をかけたとのことで、たいへん具体的。
手の込み具合、情報としての確かさと貴重さから2800円の頒布価格でも十分だったものが、1000円で手に入ります。もっと絵本を知りたい方、絵本作家を目指している方にも猛烈にオススメです。
中身はこんな様子(童美連から許可を頂いて掲載しています)。
ご興味のある方はぜひ是非どうぞ。
絵本というジャンルが、いかに歴史の色を反映したか、またそうせざるをえなかったか。そこを抜けてきての今の絵本群を見ると、なんともいえない気持ちになります。絵本が多数出版されている国は平和。今後もそのようにあるといいですね。
このmemoが“本物の宝物級の本”認知への、ほんのわずかな一助にでもなりますように。
2016.11.21 Mon.
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