この度、芸名を変えることにしました。
 ミムラ → 【美村里江】(読み:みむらりえ) になります。

 “突然”に見えるかと思われますが、ここ数年自分でしっかり考えて腑に落ちて決めたことで、事務所には昨年中に相談、新しい名前の画数なども調べてもらい、GOサインが出ました。
 主な理由は以下の三点。
(一)本家ムーミン“ミムラ姉さん”の知名度がぐんと上がったため
(二)大河ドラマ台本の役名・出演者一覧を見て本来の日本名の大切さ
(三)公私の自分がニアリーイコールになった

(一)本家ムーミン“ミムラ姉さん”の知名度がぐんと上がったため
 使用している芸名ミムラの発端は、私が熱狂的なムーミンファンだったため名づけました。ミムラ姉さんという魅力的なキャラがいるんですよ~と広めたい思いがあったのです。しかしながら近年、本家ムーミン“ミムラ姉さん”の知名度がぐんと上がってきたため、少しばかり居心地に違和感が発生してまいりました。
 そもそも童話ムーミンシリーズのキャラクター「ミムラ姉さん」から拝借した、というお気に入りエピソードも含み、この名のおかげで頂戴した仕事も多く大変な恩を感じております。まだ軽いモデル業のみだった17年前、どちらかというとマイナーキャラクターであったミムラ姉さん。「極東の地で少しばかり拝借していてもよかろう」という考えで、短期間だけのつもりで命名したのがはじまりでした。
 この数年新作アニメ・映画も制作され、各商品の購買促進用オマケに起用され、グッズ関連からもムーミン人気が恒常化。フィンランド以外の国で初のムーミン切手を発行(即完売し、2018年で二度目の発行)。本家の“ミムラ姉さん”の存在も多くの人に知れてきて、原作ファンとしても大変嬉しいところです。埼玉のテーマパーク開業予定からしても、ムーミンはブームでなく一つのジャンルとして日本に定着、この先も人気は続いていくとみて、本家の“ミムラ姉さん”へ名前をお返しします。

(二)大河ドラマ台本の役名・出演者一覧を見て本来の日本名の大切さ
 一度目は「細川ガラシャ(たま)」であり、自分の名がカタカナでも親和性がありました。ところが、「大久保満寿 ミムラ」と字面を見た時のなんともいえない気持ち……。(一)の理由を考えていた折に頂いた、大河ドラマ二度目の出演依頼。時代劇は今後もやっていきたい大好きなジャンル。これも潮時とさらに納得を深めた次第です。TVデビューのころにカタカナ単体芸名が珍しかったこともあり「日本人じゃないの?」と散々誤解されたこともありましたが(笑)

(三)公私の自分が、ニアリーイコールになった
 以前はプライベートの時間に「ミムラさんですか」と声をかけられると、「はて、今の私はミムラなのだろうか。本名の小暮里江(*2012年6月本名公表memo参照)ではないのかな」と、仕事を離れると湧いてくる少し不思議な気持ちがあった気がします。それが現在、「お声がけありがとうございます」と何の曇りもなく嬉しい気持ちで笑顔を返すことができます。
 若さゆえ、仕事を離れた公私の整合性をどうとればよいのか悩んだ時期もありあましたが、公を担う役者としての自分と私的な自分が、それぞれ違う素材であり、それでいて一方があるからもう一方も活きる。もう別ける必要はないという想いが湧きました。

 以上、三つの理由から改名することに致しました。「所属事務所と揉めて」や「プライベートで何かあって」という理由からではないのでどうぞご安心ください。

 長らく使わせて頂いた呼び名=「みむら」を手放すのも忍びなく、日本に古くからある苗字のひとつなのでそのまま使用、名前は本名、という併せで【美村里江】といたしました。

 本名と半々の、よくある芸名のスタイルになりました。

 本来であれば仕事の少ない時期に変えるのがマナーですが、ありがたいことに昨年から切れ目なくご依頼が続きましたので悩んでおりましたところ、NHK大河ドラマの出演に時期を合わせました。媒体によってはしばらく表記が併用されるかもしれませんが、本年中に「美村里江」として統一していきますのでよろしくお願い致します。


 白泉社の絵本とキャラクターの月刊雑誌『MOE』から名前由来で取材を受け、そのご縁からはじめての執筆連載がスタート。今でも3つの連載をやらせて頂き、単発の執筆依頼も多く頂けているのも、元を返せばミムラの名前からのチャンスと思っています。二度あった向田邦子役のキャスティングについても、執筆業をしている点が加味されたようです。役者業を超えた私本人部分の奥行きを広げる観点においても、数え切れないほど得をさせて頂いたと思います。
 あらためて、ミムラ姉さんの生みの親であるトーベ・ヤンソン氏に感謝しつつ、相変わらず今後も童話ムーミンを毎年一度は通して読み、ムーミン好きはライフワークの一つとして続けて参ります。
 失うのがちょっと残念な具体的利点は、「スケジュール表や香盤表で自分の名を見つけやすい」というところ。カタカナ三文字は隙間が多いので大変発見しやすかったのです。誤読や変換ミスとも無縁でした(笑)


 ほんの数年間で国際情勢が騒がしくなり、落ち着かぬまま自国「日本」について考える機会も多い最近。2012年6月の本名公表時には、予想もつかなかった現在です。さぁ、5年後はどうなっているでしょう?
 新たな名前と共に歩んでいこうと思います。引き続き応援頂けますと幸甚です。

2018年3月吉日 美村里江


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